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その後。俺達は美咲が最初に目を付けたというUFOキャッチャーへ向かった。
その時に何かを踏んで、「ぶぎゅっ!?」とか聞こえてきた気がしたが多分空耳だろう。
「あっ、あれっ!!あれにしよっ!宋一郎!!」
そして美咲は自分好みのヤツを見付けたのか、何時もは見せない屈託のない笑顔を俺に見せてきてそう促してきた。
昔の美咲を見てるみたいだ。
「……楽しそうだな」
「はっ!?べ、別に楽しくないし!?」
俺がそう言うと、美咲は顔を赤くして俺の言葉を否定してきた。
「じゃあ帰るか?」
「それはダメよ!?せ、折角来たんだから楽しまなきゃ損じゃない!?」
そして今度は慌ててそんな事を言ってきた。
楽しむのか楽しまないのかハッキリしてほしいもんだ。
まったく……からかい甲斐のある奴だな。
「は、早く行くわよ!?」
「はいはい……」
そして俺は、恥ずかしそうに前を歩く美咲の姿を微笑ましく思いながら着いていった。
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