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「可愛いーっ!?ギュッ、ってしたい!!ギュッ、って!!」
そして俺達はUFOキャッチャーの前まで辿り着き、美咲は中のキャラクターを見るなりそんな事を言いながらガラスを叩き出した。
ガラス割れるガラス割れる。
店員の人が来たらどうするつもりだ。いくら幼なじみでも庇い切れないぞ。
因みにそのUFOキャッチャーの中には、何やらヤル気がなさそうにぐだーっとしている目が半開きの猫のキャラクターが置かれていた。
…………これの何が可愛いんだ?美咲の可愛い基準が判らない。
「さぁ、早く獲ってよ宋一郎!」
「よし!任せ…………は?」
美咲は何故か自分でやろうとはせず振り向いて、俺にそう言ってきた。
危ない危ない……もう少しでお金を投入するところだった。
「てか、何で俺がやるんだよ。自分で獲れよ」
「こういうのは男がやるっていうのが相場で決まってるのよ。だからさっさとしなさい」
横暴だ!?そんなの聞いたことありません。
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