幼なじみと買い物に振り回される1日

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「じょ、冗談っ!?冗談だから!?ほらっ!」 俺はかなり焦りながら、ぐだ猫を美咲の方へ放り投げた。 「わっ…!…………お礼なんて言わないからねっ!!」 そして美咲はぐだ猫を危なっかしくキャッチすると、それを大事そうに抱き締めながら少し頬を染めてそう言ってきた。 その目には既に涙はなく、寧ろ少し怒って俺を睨み付けているように見える。 ……ホントは泣いてなかったのか……? どうやら俺より美咲のほうが1枚上手なようだ。 ………………チクショウ。 「美咲お姉ちゃん……ちゃんとありがとうって言わないとめっ!なの……!!」 しかしここで吹雪が俺から離れ、美咲に向き合いながら何時もより声の質を微量ながらも刺々しくしながらそう言った。 でもちょっと迫力に欠けるな。 「うっ…………ありがと……」 「お、おう……」 それでも美咲には効果は絶大だったらしく、小声でかなり聞き取りづらかったが、そんな言葉が美咲の口から聞こえてきた。 流石は吹雪さん。誰かさんと違って常識って物を持ってらっしゃる。 ……ん?でも美咲のほうが年上なのに何で吹雪のほうが常識があるんだ?おかしいよな?
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