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「はい。宋一郎の分!」
そしてどうやら落書きが終了したようで、美咲は出てきたプリクラを元々置かれていたハサミで3つに切って、その中の1つを俺に渡してきた。
……正直、渡されても困る。
「俺は別に……」
「はい。そ・う・い・ち・ろ・う・の分!」
くっ…!?何て威圧感だっ!?
笑顔なのに……笑顔の筈なのに怒りが滲み出ている……
「……有難う」
結局、俺は何も言えないまま素直にプリクラを受け取り、そしてポケットに入れようとした時。
「早く携帯に貼りなさいよ」
「なん……だと……?」
美咲が俺の腕に手を掛けてそれを阻止して、そんな事を言ってきた。
まぁ、普通に考えてプリクラを貼るくらいなら何も問題ではない。
でも俺の近くにはあの母さんが居るんだ……
もし母さんにそのプリクラを見られてしまったら……そう考えると俺には死活問題だ。
「美咲お姉ちゃん……!ふーちゃんにもちょーだいなの……!」
「あっ、ごめんね?吹雪ちゃん。はい」
「ありがとなの……!」
こらこら、俺は真剣に悩んでいるのに何2人で勝手に和んでんだよ。
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