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そして俺達が年越しそば……もとい年越してからそばを食べていると、不意に玄関の扉を叩く音が聞こえてきた。
「初詣の参拝客ですかね?」
「いや、それにしては早過ぎるだろ。ちょっと出てくるよ」
「ふーちゃんも行くのー……!」
俺がそう言って立ち上がると、横で年越してからそばを食べていた吹雪も立ち上がり、俺達は年越してからそばが伸びるのを覚悟で玄関へ向かった。
「メリークリ……じゃなかった。ア・ハッピーニューイヤー!」
「…………」
俺は今のを見なかったことにして扉を閉めた。
何故、彩夏がこの時間に……?
しかも最初ちょっと間違ってたし。
まだクリスマス気分が抜けてないのか?
「ふゅ……?そーちゃん、今の何なの……?」
「ああ、幻覚だよ幻覚。さぁ戻ってそばを食べよう」
「うわーん!?イチロー君、何で閉めるのさー!?初イジメ?初イジメなのっ?」
俺達が居間に戻ろうとした時に、彩夏が扉を叩きながら涙声でそう言ってきたので、何だか可哀想だから開けてやることにした。
何だよ初イジメって……
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