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「……取り敢えずソバでも食っていくか?」
俺は縋り付いてくる彩夏の手を離しながらそう尋ねた。
こんな時間に遥々来てくれたんだから門前払いするのも可哀想だろ。
……まぁ、こんな時間に来るな。って話なんだけどな。
「おソバッ!!食べるぅー♪」
そして彩夏は、俺の言葉に顔を輝かせながら居間へ向かって走っていった。
………………てか、初詣は?
「あっ!イチロー君おっそーい!!このおソバ美味しいね?」
そして俺と吹雪が居間に戻ると、彩夏は先に座ってソバを食べていて、俺達が居間に入るや否やそんな言葉を掛けてきた。
因みに母さんはそんな彩夏を唖然として見ている。
まぁ、何の前触れもなくいきなり来てソバを食われたら誰でもそうなるよな。
しかも彩夏の食べてるソバは……
「それ……吹雪のだぞ?」
「はふはふ…………ふぇ?」
彩夏が食べているソバはさっき吹雪が食べていた物で、俺がそう声を掛けると彩夏は間抜けな声を出して俺を見上げてきた。
ホント何しに来たんだろうね、この子は。
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