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その後は、母さんも疲れたようで自分の部屋へ行って寝てしまったが、俺は逆に目が冴えてしまったのでマグカップにホットコーヒーを入れ、居間を後にして廊下から縁側へ出て腰を下ろした。
「綺麗な月だな……」
1月の冷たい空気を肌に感じつつ、俺は空を見上げて月を見ながらそう言葉を漏らした。
……今まで色んな事があったよな。
新しく母さんが来たと思えば父さんが出ていって……
高校に入って美咲にいきなり弓道部に入れられて……
剣道部に入って圭吾の馬鹿に目を付けられて……マネージャーに有佳里が入ってきて、そして8割ぐらいの確率で紗月先生にセクハラされて……
彩夏に宿題が解らないと付き纏われて……
そしてクリスマスの日に吹雪が現れて……
んー…………何か俺の人生ってあまり良い事ないな。
まぁ、楽しいけど。
そう言えば吹雪の事これからどうすればいいんだろうか。
吹雪には悪いけど俺は吹雪を恋愛対象として見ていない。
「…………今年から忙しくなりそうだな」
俺はコーヒーを一口啜ってから雲1つない空に浮かぶ月を見ながらそう呟いた。
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