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「ふゅ……そーちゃん……」
「何だ。起きたのか」
そして俺が丁度コーヒーを飲み干した時。吹雪が眠たそうに目を擦りながら近付いてきた。
「何してるの……?」
「月を眺めてたんだよ。一緒に見るか?」
「うん、見るの……!」
俺が自分の隣を指差しながらそう尋ねると、吹雪は顔をパアッ!っと輝かせて俺の隣に……ではなく俺の膝の上に座ってきた。
……隣に座れっていうジェスチャーが分からなかったのか?
まぁ……誰も見てないし、いいか。
「綺麗だろ……?」
「綺麗なの……」
俺が空を見上げながら吹雪に賛同を求めるようにそう尋ねると、吹雪はうっとりとした様子で俺に体を預けながらそう返してきた。
何だかこうしていると今日から忙しくなるっていう実感が湧かないな。
しかしこのまったりとした時間を味わっているのも束の間。予期せぬ出来事が……
「そーちゃん……」
「……んー?」
「ちゅーしたいの……」
「…………は?んっ……!?」
俺が吹雪の言葉を理解するよりも先に吹雪が顔を近付けてきて、俺と吹雪の唇がそっと重なった。
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