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何だ……?何が起きてるんだ……?
目の前には吹雪の顔がドアップで映っており、少し甘い香りが鼻を擽っている。
キス……されてるのか……?
本当なら今すぐにでも吹雪を引き剥がしたいのに体が動かない……それどころか瞬きすら出来ない。
……どうなってるんだ?
その時。身体に浮遊感を感じたかと思うと、何かが頭の中に流れてくる感覚がした。
{それはな。雪女の能力じゃよ}
すると、姿は見えないもののそんな年老いた男の声が聞こえてきた。
だ、誰だ?何だよ雪女の能力って……
{ホッホッホ!大層な物言いじゃな?山本乾弼……と言えば分かるか?}
俺が心の中で謎の声にそう尋ねると、その声は楽観的な声色でそう言ってきた。
なっ……!?乾弼ってまさか……
{そう。お主の先祖……この氷北神社の創設者の山本乾弼じゃ}
ど、どういう…
{まぁ待て。お主も色々と訊きたい事もあると思うがまずは我の話を聞け}
俺が混乱の中でやっとのことで声を絞り出すと、乾弼はそれを遮ってそう言ってきた。
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