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3日間の中でも特に忙しい1日目が終了し、今は2日目。
「母さん、そっち引っ張って」
「はいはーい!」
現在の時刻は午後2時20分。
俺達は階段の下の中庭に屋根だけがあるテントを取り付けている。
午後からは出店が軒を連ねて、落とし物や迷子が出たりするので俺達は御守り等の販売を止めてここで待機することになっている。
午前中よりは楽だが……ぶっちゃけ面倒臭い。
「おーい、宋一郎。机と椅子持ってきたぞ」
そう言いながら階段を下りてきたのは紗月先生。
紗月先生は俺が高1の時から午後に手伝いに来てくれていて、こちら側としては大助かりだ。
…………長椅子と机を軽く4つずつ担いできているのは見なかったことにしよう。
俺でもそんなに担げるか分からないのに。
「ありがとうございます。あとは俺がやっておくので休んで貰っていいですよ?」
俺は机の脚を広げながら紗月先生にそう促した。
出店の方は許可を出してあるし、場所は決まってるがあとは勝手に出店の人がやってくれるのでやる仕事はこれだけだったりする。
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