雪と共に来た出会い

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「いってきます」 「いってらっしゃい宋ちゃん♪」 俺は玄関で靴を履き替えながら後ろで見送りに立っている母さんにそう言った。 今は時間も過ぎて、部活に行く時間。 「よいしょ……ん?」 そして俺が立ち上がって家を出ようとすると、後ろにいる母さんに制服を掴まれて、それを阻止された。 そして後ろを顔だけ振り向いてみると…… 「ん…………」 母さんが俺に顔を向けて、頬を染めながら唇を少し前に突き出していた。 てか、何してんだ? 「母さん……何してるんだ?」 「何って……いってらっしゃいのキスに決まってるじゃないですか~♪」 母さんは手を頬に当ててクネクネしながら、そんな事を言ってきやがりました。 何でそんな新婚1年目みたいな事しなくちゃいけないんだよ。 「さて、今日も部活を頑張ってくるか」 そして俺は、軽く母さんをスルーして家を出た。 その時に後ろで「浮気はダメですよー!!」とか聞こえたが、これもスルー。
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