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「ダ、ダメッ!?」
俺が立ち上がりながらそう言うと、美咲は凄い勢いでタオルを奪い取ってきた。
てか、またかよ。
「俺の汗が付いたままなんて嫌だろ?」
俺は奪われたタオルに手を伸ばしながら美咲にそう尋ねた。
これで「うん、そうね。気持ち悪い」とか言われたら俺は一生立ち直れないかもしれない。
しかし美咲から返ってきた言葉は、俺が考えていた物とは真逆の物だった。
「別に嫌じゃないわよ!!寧ろ嬉し…ケフンコフン!?は、早く風邪をひかない内に着替えてきなさい!!」
美咲は最後の方の言葉を濁して、それを更に隠す様に俺の背中を押してきた。
美咲の言葉は嘘でも嬉しかったりする。
これで嫌われてはいないという事が分かったしな。
そして俺は、それに逆らうことなく更衣室に入っていった。
「あの……私は空気ですか……?」
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