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「じゃあね、宋一郎!また明日」
「ああ、また明日」
俺は、T字路で別れる際に笑顔で手を振ってくる美咲に対して微笑みながら手を振り返した。
また明日というのは、弓道部が明日の午前中に練習があるからだ。
そしてこれは余談だが、俺の家から近い順に言うと、美咲。有佳里。彩夏。圭吾の順だ。
そしてT字路で美咲と別れた俺は、唯ひたすらに降り続ける雪を見上げながら歩いていった。
「……ん?…………何だあれ?」
そして大したアクシデントもなく帰宅した俺は、本堂に上がる階段の前に白い何かがあるのが視界に入った。
雪……?にしては積もるのが早過ぎるか……
てか、境内の中はまだ土の色しか見えないのにあそこだけ雪が積もる訳ないか。
その白い何かは、遠目から見ても俺の脛くらいまではある。
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