僕は猫…？

入れ代わる人(猫)生…？

電話に出た最初に

「もしもし…」

と言って以来、ジッと携帯を見つめたまま黙っているトラに

「おい！僕の代わりに何か喋ってくれよ！」

と頼むと、

「うるさい。」

とだけ冷ややかに言い放ち、携帯を閉じた。

プーップーップーッ

虚しく、通話終了の音が鳴り響く。
携帯を閉じたら通話終了の設定をしていた僕は、ただ、携帯とトラを交互に見つめる事しか出来なかった。

トラは、携帯を胸ポケットに戻し、何事もなかったかのように走り始めた。
再び携帯が鳴ったが、トラの

「もしもし…お前うるさいよ。」

と冷たく刺すような言葉を期に、かかってこなくなった。

ゴメンナサイ…部長。
僕が言った言葉じゃないんです。
許して下さい。