†イジメ†

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(日光で制服乾くかな…) わざと影の無い部分に腰を下ろした。 今は夏。日差しが火のように熱い。 だけど濡れたまま家には帰れない。だって母に怒られるから… 「あっれー?姫ちゃん?また来たんだね❤」 この声は………やっぱり…春日先輩だ。 「まだいたんですか…?」 「うん!…どうしたの?その格好。顔も傷だらけじゃん。大丈夫?」 心配そうにこっちを見つめる。 人に優しくされるって何年ぶりだろう。 優しくされると父を思い出す。 いつも優しかった父の事を… 「さっき、転んだんです。気にしないで下さい。」 とっさの嘘。普通過ぎてバレるかな…? 「嘘はつかないでね。」 ?! 「嘘じゃないですよ。」 「ならよかった。気をつけてよ?」 たぶん春日先輩は気付いたと思う。 彼の優しさだろう。 見て見ぬ振りをしてくれた。この人は優しいんだ。 そうあたしは思った。
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