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夏でもいつも長袖を着るあたし…。
でも、ちゃんと理由がある。
それは…
「姫美!姫美!!」
「何ですか?」
「起きているんなら返事ぐらいしなさいよね!!」
「ごめんなさい。」
「なんだい?!その目は!!また殴られたいの?!」
「いいえ。じゃあ行ってきます。」
それは、体中に殴られたアザがあるから…
「ホント気持ち悪い子だね!こんな娘を残して先に逝っちゃって!一緒に連れて行ってほしかったよ!!」
虐待
その言葉はあたしにピッタリ当てはまる。
医局長だった父は昔からあたしに優しく、母から守ってくれていた。
だが、2年前に病気で他界。
賢かった父はちゃんと遺言状を残した。
その内容は…
[私の財産の全てを娘の姫美に託す。]
財産目当てだった母はそれに納得が出来ず虐待はますます酷くなった。
父は知っていたのだろう。
母が自分の財産を狙っているという事に。
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