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「博士!!博士!!また殺人事件です!!最近こんなことばかりで、世の中どうなってるんでしょうか…。」
「うむ、そうじゃのう。ワシの若い頃は平和な毎日じゃったがのう。」
二人の研究員は日常社会の事件に落胆していた。毎日のように殺人やら強盗やらのニュースが新聞をにぎわしており、どうにかならんものかと考えていた。
「しかし、警察って凄いですよね?あっ、という間に犯人逮捕。これじゃ殺人事件なんて起こしたくても起こせませんよ。」
「そうじゃな。ワシからすれば捕まるほうがマヌケのような気がするがのう。」
「じゃ、博士は捕まらない自信あるんですか?」
「自信もなにもワシは殺人を犯しておる。」
博士の口から出た言葉に助手は、目をぱっちりあけ驚いていた。しかしすぐに問い掛ける。
「何言ってるんですか、あはは。だったら遺体とかどうしたんです?隠したとかですか?凶器とかはどこです??」
「ワシは研究で使ってるサメを飼育しているのは知っておるな。」
「あ、ハゲの特効薬が作れるとかなんだかのやつですね?」
「うむ、毛生え薬、ケハエール君の調合材料じゃ。」
「ま、まさか…遺体をそのサメの餌に…」
「…そうなんじゃよ…」
博士は真剣に助手に真実を話した。助手はごくりとツバを飲み込みながらサメの水槽を見た。
「(…このサメが。)」
「冗談じゃよ。ふぁふぁふぁ!」
「まったくやめてくださいよ博士ー。本当に殺人犯かと思いましたよ!心臓に悪いからやめてください、ははははは!」
そう言いながら助手は仕事に戻るため後ろを振り向いた。
ガンッ!!
後頭部に痛烈な一撃が入り、助手は倒れてしまった。
「…は、博士…なんで…」
「おぬしはワシの妻を愛しておるな…貴様は黙っていてもわかるのじゃ。だからワシは助手である貴様に正拳突きをしたのじゃ。」
「は、博士…自分はおばあさんになど興味はございませ…ん…」
「まだいうか!!せいっ!!」
「ぐはっ!!博士なんで…」
博士は残された全体力を使い、サメがいる水槽に気絶した助手を投げ入れた。
バシャーン!
「…成敗。」
こうして博士は無事に家族を守ったのであった。
おめでとう博士。
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