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私は時に追われる兎
この世界に迷い込んだアリスを急いで見つけなければなりません
だってこの世界では五分後に恐ろしい魔物が世に解き放たれることになっていましたから
私は魔物に殺されたくありませんし、またアリスが殺されても一大事です
ここはアリスあっての世界なのですから
しかし私は愚かにもアリスがどんな人か知りませんでした
だってこの世界では誰もアリスを見た事がないのですから
……
私は途方に暮れました
目の前が真っ暗になると、世界は突如黒くなりました
そこにはアリスの白いシルエットだけがよく映えていました
そしてシルエットは部屋の外へと駆けていきます
私は追いかけました
魔物が出ない安全な内に、早くアリスを捕まえなければなりません
螺旋階段を登っていくとその途中にドアが見えましたので私はまずそこに入りました
探す目的もありましたが、何となく、廊下にいる方が不安だったこともあり早く部屋に隠れたかったのです
その部屋には暖炉がありました
暖炉の前の明るくなったその一角にはミンチとなり既に腐って臭くなった×××がありました
これは魔物の仕業に違いありません
どうやら魔物は既に世に出ているようです
私は思いました
アリスまでこうなる前に、早くアリスを探さなければ……
しかし私も早く逃げねばなりません
私は死にたくないのですから
結局、私は外へと逃げ出しました
けれど私は最後まで臭くなったアレが何であるか気付きませんでした
だって、この世界では誰もアリスを見たことがないのですから
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