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私はまだ理解していなかった
どうして自分はここにいるのだろう?
自分はさっきまで別の場所にいたと思うけれど……
気付いたら、ほんとにふと気付けばここに向かっていたのだ
けれど疑わしく思う気持ちは微塵もない
まるで自分がここにいるのが当然のような感覚
ただ、それが不思議だと思うだけ
辺りには知った顔がいくらかあったけれど、話しかける気にはならなかった
皆、誰一人として会話を交わす者などいない
まず、ルールを知らなければ……
脳のどこかをふと掠めた言葉
誰だって、自分のことに精一杯なのだ
一人、また一人とその場を離れ歩き始めた
いつまでもここにいてはいけない――
とうにこのスタート地点を通り越した者など山程いるのだから
既に遥か彼方先まで歩んでいる者など、数えきれない程いるのだから
私も気だるさに逆らい重い足を進め始めた
頭上には
『19825人→15423人』
と書かれた看板があった
それがここを通り過ぎた数なのか、それとも離脱した数なのか、私たちにわかりはしないけれど
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