十五夜~フィフティーンナイト~

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知っている人が沢山いた 下らない人ばかりで嫌になった そして皆は口々に言う ──いいよ、これ以上いかなくて── ──ここは安全なんだから── ──進めば失敗するかもしれないのだから── だから、ここ止まりだって構わない 私もそう考えた 私は失敗したくなかった そして私も腰をおろす 隣には知らない男がいた 男は喋った ──大丈夫、安全地帯は安全なんだ── そう、良かった……私は死にたくない ──ここが、本当に安全地帯ならね……?── この世界で初めて話した相手はすくと立ち上がった カーテンがひかれ私の身を包み視界を隠す 辺りは一瞬にして戦場になった 散乱銃は部屋を無茶苦茶にする 騙された 気付けばそこには誰もいない 荒らされた部屋だけが残る偽物の安全地帯 ここはサインではなかったのだ
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