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「明香(めいか)、大丈夫だよ。明香なら頭がいいからきっと受かるよ」 机を挟んで向かい合い座っている父親は優しく微笑んだ。 今日私は、女子高の編入試験を受けさせられた。 出来は良かった。多分、受かる。 「それにしても、可哀想に。明香は何も悪くないのにね」 食器を洗いながら母親が口を挟む。 力が抜けるような呑気な話し方。 「本当、サイアクだよね」 私は机の上に置いてあったお茶を啜りながら言った。 明香は何も悪くないのにね? そんなセリフ、よく言えたものだ。 何も悪くない、だなんて思っているわけがない。 じゃなければ わざわざ女子高なんて 受けさせるわけがないんだ。
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