第二話 笑う犬

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「あー……あたし、兄と同い年なんですよ」 「そうなの? 双子とかじゃあ……ないわよね」 「それは……色々と、複雑な事情がありまして」 「…ああ、御免なさいね、つらいでしょうに、穿り返しちゃって」  何だか分からないが、主婦は勝手に結論を出してくれたので、れいんはほっと一息つい た。 「じゃあ、高校生なのね」 「はい」 「学校は?」  事態は、大して変わっていなかった。 「…実は、中退してしまったのです」 「まあ」  主婦はあからさまに渋い顔をした。
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