5人が本棚に入れています
本棚に追加
同じころ。雄一のアパート。
「ふふふ……」
れいんは自信満々の表情で手に持つものを見た。
「狙われやすい場所は、肩……このまな板を改造したショルダーガードで対策は万全だ!」
れいんの手に握られたのは、真っ二つにされたまな板だった。
「首洗って待っていやがれバット男ー!!!!」
まな板を両肩に入れて固定し、れいんは部屋を出て行った。雄一が帰ってきたのはそれか
ら数分後のことだった。
「ただいまー……あれ?」
てっきりカレーの匂いが部屋に充満していると思い込んでいたので、雄一はすぐにれいん
が一日一善を果たしていないことに気付いた。
「あいつ、作ってないのかよ……うわ、米すら炊いてねえ」
ついでにまな板もなくなっていたのだが、女ではないのでさすがにそれには気付かなかっ
た。
「…腹減ってるんだけど……でも……」
最初のコメントを投稿しよう!