第二話 笑う犬

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 同じころ。雄一のアパート。 「ふふふ……」  れいんは自信満々の表情で手に持つものを見た。 「狙われやすい場所は、肩……このまな板を改造したショルダーガードで対策は万全だ!」  れいんの手に握られたのは、真っ二つにされたまな板だった。 「首洗って待っていやがれバット男ー!!!!」  まな板を両肩に入れて固定し、れいんは部屋を出て行った。雄一が帰ってきたのはそれか ら数分後のことだった。 「ただいまー……あれ?」  てっきりカレーの匂いが部屋に充満していると思い込んでいたので、雄一はすぐにれいん が一日一善を果たしていないことに気付いた。 「あいつ、作ってないのかよ……うわ、米すら炊いてねえ」  ついでにまな板もなくなっていたのだが、女ではないのでさすがにそれには気付かなかっ た。 「…腹減ってるんだけど……でも……」
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