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街灯で仄かに照らされた通りをれいんは呟きながら歩いた。
「来るなら来いバット男……あたしが成敗してやるぜ」
その時、強い風が吹いた。十二月の寒風である。れいんは手袋をはめた両手で顔を覆った。
「さむっ……あ」
今年最初の雪が、この夜降った。
「…綺麗だな――」
言った次の瞬間、肩に鈍い衝撃が走った。まな板と金属が衝突したのを、れいんは把握して
いた。
「…あんたもこの夜空を見たらどう? 星と月と雪――この三つが同時に見れる日、この街じ
ゃあそうはないだろ? ねえ……バット男さん?」
身を翻したれいんは、正面にバット男を捉えていた。
でかいな。バット「巨人」の方がしっくりくる感じ。
――足元だ。
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