まっくらな朝から

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あれから、何度も月日は流れた。 部屋からは陽が射し、朝を数えることができた。 白い男たちが来ることはなくなり、似たような男は毎日来るが、それは此を優しく取り扱った。 その他に、毎日色々な人が、此の話し相手になる。 黒い男もここへ時たま訪れる。 此は今幸せだ。 叫ぶ日がなくなった。 減ったものは戻らないが、もう減ることもない。 此は今、幸せなのだ。 「アるじ…主。」 「何だ。」 「…ア…あRIがとウ、主。」 「………。」 此がそう言うと、黒い男…いや、主は微かに笑う。 此は主のその顔が好きだ。 此が"最初"に"目が覚めた"時に、一番に見せた顔だ。 此は今幸せだ。  -END-    
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