廊下

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ああ、昨日家族と話しをしていてたまたま思い出しました。 以前住んでいた家での事です。 よく昼間でも夜遅くでも、2階の廊下からパチン、パチンとよく音が聞こえてました。 父親がよく癖で、カッパのようにハゲた頭を叩いてるのと同じような音だったので、私はてっきりそう思っていました。 が、その日はやったらとしつこくて、昼間だったので「やばい。じいちゃんとうとうボケたか?」などと思って、慌てて父親の部屋へ行きました。 部屋を覗くと、父親はのんびり寝ようとしてたみたいです。 当然私は聞きました。 「さっきから何パチンパチン頭叩いてんねんな。10分は叩いてんで?」 と聞くと、きょとんとしている。 「あ?なんで頭叩くねん。あほか。今、横になろうとしてただけやで?」 ――ですよね。 さすがに10分以上も頭叩いた事無いよね。 じゃあ何だったんだろう。 皆は聞こえないって言うし……。 廊下を辿る事までしたのになぁ。 そしてある真夜中2時頃、私はトイレに行き、部屋に戻って真っ暗な中一服してました。 すると、部屋の向かいの廊下から……、 『おーい、おーい』 と男の声。 父親の声に似てました。 が、本人に聞くまでもありません。 ありえない距離感と、その前後には誰も何も動いた音など無かったので。
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