第1話 公開処刑バラエティー ブラッドエッジ

2/6
前へ
/6ページ
次へ
ハァ…ハァ…ハァ……… 「ハァ……、ここまで逃げたんだ…大丈夫だ」 今、一人の男が闇夜を走り抜ける。 その男…手に長く細い刃を持ち、その刃からは紅く濃い雫が滴り落ちる。 男の前にある光の無い街灯に小さい人影が呟く。 「クス。ねぇ…それで逃げてるつもりなの?」 「―――ッ!」 男は驚きで声も出ぬ様。 「ヤだなぁ…そんなに驚かないでよ。この国で法を破ったらどうなるか…くらいは知ってるでしょ? 鈴木 優さん」 齢12,3の少年は微笑を浮かべ続ける。 「―法を破るという行為は、死にたい…って事だよね?」 男は未だに状況を理解出来ずに戸惑い、手に持つ刃を少年に向けた。 間発入れず少年は冷笑し呟く。 「君は馬鹿かい?僕から逃げられると思っているのかな?」 少年はその男の突進をヒラリと避けると、背中から男の喉元にナイフを当て、右手を鳴らした。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加