①くび

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 目の前の扉がまるで、瞼でも閉じるみたいにスッと閉まった。 白い光の視界が閉じて薄くらい世界に変わった。 箱の中は、ひどく息苦しい。 下降の瞬間に軽い眩暈を覚えた。 『何だかイヤな感じのエレベーターだな』 意識がはっきりとしていない。 どこか記憶のぼやけた所がある。 ガード下で呑んでたけど……その後が思い出せない。 どれ位、呑んだのか? エレベーターが地下に降りる。 他に客はいない。 薄暗い箱は、ガクンと激しい衝撃を【首】に伝えて止まった。 ドアが開く。
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