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落ちる……落ちる。     君は僕と小指を結ぶ。     君は泣きながら笑っていたね。   僕はそれにつられて苦笑いしてしまったよ。     この世の二人の終わり。 命が消えるというのに…     砕けて 風の通り抜ける窓ガラスから この身を投げ出す二人は   とても静かで、穏やかだった。     生まれ変わっても… なんて保障もない。     だだ、この瞬間だけは 二人の絆は 他の誰よりも絶対だった。       廃墟と化したビルの窓からこの身を投げだして… 見えた二人の視界に写るそれは       これほど優しい場所は他にはないだろう…
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