無知

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  「え…?」   あたしが聞き返すと、マスターはお酒の入ったグラスを差し出してきた。   「舜ちゃんを探してるんでしょう?」   確信をついたマスターの言葉に、思わず首を縦に振った。   「ふふっ やっぱり♪ この前、ひよこちゃんと会ってた日以来、 一回も顔見てないのよー。」   マスターが寂しそうに言うもんだから、なんだかあたしも無性に寂しさを覚えた。   忙しいのかな…   クラブにいないなんて、 普通のことなのに   ここに来て、舜也に会えないなんて初めてのことだったから、   あたしはなんだか心にぽっかりと穴があいた。     「舜ちゃん… ひよこちゃんと知り合ってから、皆勤賞あげてもいいくらい毎日来てくれてたのに…」   …え?   「え、舜也って 出会う前からここに来てたんじゃ…?」    
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