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お勘定を払って、
クラブの扉を開ける。
「さむ……」
肌にシンとした寒さを感じて、マフラーをたぐり寄せる。
「風邪…ひいてないかな…」
夜明けの空を見上げて呟くあたし
舜也がいなくなってから、
ずいぶんと独り言が増えた。
もしかしたら…
もしかしたら、何事もなかったかのように舜也が返答してくれるかもしれない
なんて淡い期待は、すぐ虚しさに変わる。
「何してんだろ…あたし……」
虚しさに押し潰されそうになって、そう呟いた瞬間――――
ガタンッ ガサガサッ
「――――!?」
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