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扉を開けると、まるでそこが異空間かのような世界が広がる。
ノリのいい音楽が響き、人々が賑わい、踊ったり酒を飲んだり。
決して柄のいい場所とは言えないけど、
あたしにとって、ここは癒される場所の一つ。
カバンと上着をロッカーに入れて、カウンターへと歩き出している途中、
奥の方から聞き慣れた声が聞こえた。
「ひよこ!ひよこー!」
大きく手を振りながら、クシャッとした笑顔で、舜也が人混みにうもれている。
「舜也ー!」
手を振り返すが、なかなか人混みから脱出できないようで、舜也の顔が見えては隠れてはの繰り返しだった。
このじれったい状況…
まるでロミオとジュリエットみたい―――…
そう思った瞬間、
あたしの体がズシッと揺れた。
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