銀の平原

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―・―・―・―・― 「しかし暇だな。」 あれから数分。 白い部屋に戻ったマトリは次の客が来るまで待っていた。 「銀の平原か……。」 ユノが言っていた場所。 =どうやらオロネロとルカが行くことになる『天国』らしい。 そんな事を考えている内に、更に時間は過ぎていった。 暇がピークに達した時、部屋の真ん中に突然、落ちてくるように一組の男女が現れた。 男の方はいたって普通だが、長大なライフルを持っている。 女の方は何も持ってはいないのだが、なんとネコミミが生えている。 「いたたた……。ここ…は?」 男が目を覚ました。 「大丈夫か?」 俺は声をかける。 それが決まりだからだ。 「あ、ああ。ここはどこ……。君は?」 「俺はマトリ。魔神だ。あんたは?それとその女性は?」 俺は顎でしゃくって訊いた。 男は隣で今まさに覚醒しようとしている女性を見つめ、こちらに向き直った。 「俺はキョウヘイ。こっちのはイリンだ。そんでこのライフルがアルメ」 「すまない、時間が無いんだ。」 俺は無機物であるライフルの紹介を言葉で遮った。
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