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「その腕は私のだけどしばらく貸してあげる。あんたは生き返るの。以上。」
その言葉に驚き、オロネロとルカに振り向く。
「その魔神の腕であの子達を守ってあげてね?」
「しっかりしろよ。マトリ。」
二人は笑っていた。
俺は少しだけ涙を流した。
「さ、そろそろ次のお客が来るわ。オロネロとルカは銀の平原行きね。あそこは良いわよ。天国ね。……マトリ。」
不意にこっちを向いた。
「はい。」
「あんたはさっき来た部屋に戻ってなさい。いたでしょ?先客が。」
ニィと笑うユノ。
俺は先程の部屋での事を思い出した。
つまり次に来た奴を起こしてドアをくぐるように言えば良いのだ。
「了解です。」
そう完結に答えた。
「じゃあなマトリ。頑張れよ。」
「二人を幸せにしてあげてね。」
オロネロとルカはそう言って手を振った。
二人の体はだんだんと透けていって、最後はいなくなってしまった。
「もちろんです。」
俺はそう呟いた。
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