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なんだよ。
なんなんだよあれは。
俺は目を離さなかった。
いや、
離せなかった。
ボロボロの服。奇妙な声。臭い。
この世のものとは思えない。
おぼつかない足取りで近づいてくる。
まるで、喰わせろ、と言わんばかりに。
何人だろう?
数を数えるほど脳は動いてはくれない。
伝わるのは、逃げろ、という本能からの指令だけ。
「早くしろっ!!」
太一の怒鳴り声でハッと我に返る。
二人は、
駆け出した。
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