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しゃんしゃんとベルが鳴りそうな夜の街。
色鮮やかに染められ、行きかう人々もカップルだらけ。
そんな十二月は二十四日。
俗に言う“クリスマスイヴ”って言うやつ。
そんな苛立たせる位賑やかな街で、俺は仕事だった。
この時期にしかない、ちょっと特殊なお仕事。
――これからは少し昔の話。
当時の俺は就職活動中で、着心地の悪いリクルートスーツを戦闘服に戦ってたわけ。
けども、なかなかその戦に勝てなくてかなり焦ってた。
そりゃそうだろ?
周りはどんどん勝っていくんだぜ。
挙句の果ては、絶対受からないだろと言われていたやつ。
俺の趣味で喩えるなら“超穴馬”。
しかし、ゲートが開いてスタートすると……勝っちまいやがった。
あれは色んな意味で荒れたよ。
万馬券どころの騒ぎじゃないね。
ああ、今でも腹が立つ!
……ま、まあ話を戻す。
で、なかなか就職出来ない俺は探してたわけ、どこでもいいから。
もう諦め半分。
そんな時、俺に一通の手紙が。
それが……。
『おめでとうございます。特殊公務員候補に選ばれました』
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