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え、親に渡せばいいじゃないかって?
それは上司から止めるようにって言われてる。
“夢がないから”と、とある理由で。
そんなワケで、俺はとっとと部屋に入ってプレゼントを置かなければならない。
しかし妙な事に気が付いた。
二階建ての一軒家なのだが、玄関に明かりが灯っておらず、すごく静か。
まだ八時なのに。
俺のイメージとしては、そのご馳走が出てきたりだとか、楽しい感じなんだけど……。
俺も小さい頃は、いつもは怖い親が妙に優しいからむずかゆい思い出があったな。
いや、今はそんな事関係ないよな。
俺は俺の仕事をしなきゃ。
まずは正攻法に玄関から入ってみよう。
そうやって俺は玄関ドアのノブに手を掛ける。
するとどうだろう。
いとも簡単に動き、開いてしまったのだ。
なんという無防備!
これじゃ泥棒に入ってくださいと言っている様なもんだ。
そんな風に思いながら、音を出さないように開けていく。
しかし、中から明かりは漏れてこなかった。
そのまま家の中に入っていく俺だが、やはり何処からも音がしない。
そろそろと歩いて見回していくが、どこも人の気配は無いのだ。
あ、そうだ二階。
二階できっとワイワイやっているのだろう。
表から二階の窓は見えなかったし、なんだ俺の早とちりか。
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