SANTA

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案の定、階段から上を覗いて見ると、ドアの隙間から光のカーテン。 ターゲットも見つかった事だし、鞄の中に入ったサンタ服に着替えるとしよう。 なかなか寒いが、これも仕事の為と割り切り、俺はスーツから着替えていく。 はい、準備万端。 これから俺はサンタさんとして、子供に夢とプレゼントをあげないとな。 俺は給料を頂きますが……はは。   ばれない様に階段を上り、例のドアの前に立つ。 聞いた話によると、大人には見えないらしい。 このサンタ服にはそんな魔法が宿っているのだ。 しかしやっぱり怖い、恐る恐る覗く。   するとどうだろう。 中には一人の男の子しか居なかったのだ。 周りを見回しても、親らしき人物は見当たらない。 独りなのか……いや、独りなんだ! いたたまれなくなった俺は、ついドアを勢いよく開けてしまった。   だが勢い余ってどんどん床か近づいてくる。 そして止める事は出来ずに、大太鼓の様な音と共に鼻から倒れてしまった。 じわじわと痛みが起きてくるが、それをかき消すかのごとく笑い声が響く。 顔を横に向けてみると、男の子が腹を抱えている。   ああ、やってしまった。 俺はその時失態を犯してしまったのだと、悟った。
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