SANTA

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そんな俺たちはキッチンへと向かい、スイッチを入れ黒を消す。 露になったその第一印象は、なかなかキレイと言ったところ。 冷蔵庫も確認してみると、良い食材が沢山。 これなら大丈夫。早速作る事にしよう。   それからと言うもの、色々苦労しつつもどんどん料理を作っていった。 やはりお手伝いするのは初めてなのか、隣の手際がとても悪い。 しかし、それすらも可愛らしく思えるから不思議だ。 まったく、こんな日に何仕事してるんだ親は!   気づけば、溢れるぐらいの暖かさが出来上がっていた。 男の子はそれに目を輝かせながら、俺とくだらない事を話し、どんどん食べていく。 初めてなんだろうな。こんな風に食べるの。 そう考えたら俺はいつも家族で食べてたんだよな。   もうすぐ九時になろうとしていた。 それでもまだ親が帰ってくる様子は無い。 片付けも終わった俺たち二人は、隣にある居間のコタツでくつろぐ。   「ねぇ、やっぱりコーラ好きなの?」   「うーん。あんまり好きじゃ……大好きだよ! うん!」   話を聞いていると、別に楽しみが無いわけでは無いようだ。 嬉しそうに話してくれる。 テストで良い点取ったとか、かけっこで勝ったとか、遠足の思い出……等。 そうだよ、奈良の鹿はせんべい持ってると襲ってくるんだよな。   いつの間にか俺はこの時間を楽しんでいた。
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