第三章~朱家軍~

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朱桓は言った。 「これも、我が君の威光があればこそです」 「謙遜するな。誰がみても休穆(朱桓)の功績は明らかだ。そこで、わしは君を盪寇校尉〈トウコウコウイ〉に任じ、兵士二千人の統率を命じることにしたのだ」 朱桓は驚いて目を見開いた。 「はっ。有り難うございます。より一層努力致します」 「うむ。そこでだが…」 孫権は地図を取り出した。 「兄の代から、この江東には多数の兵士が職を無くして散らばっているという。知っての通り、今のままでは、我が軍の兵力では北からの脅威に対抗するのは難しい。まずは内を固めねばならんのだ」 朱桓は頷いた。 「よく分かりました。わたしがその兵士を集めて来れば良いのですね」 孫権は満足気に頷いた。 「その通りだ。集めた兵士は、そのまま休穆の旗下に収めて良い。呉郡・会ケイ郡を周って集めてくれ。戻ったばかりだが、よろしく頼むぞ」 朱桓は礼をとって言った。 「お任せ下さい。きっと精鋭を集めましょう」 孫権は頷いた。 「うむ、頼んだぞ」 朱桓は一礼して退出したのだった…
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