第三章~朱家軍~

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…朱桓は兵士を集めるのは難航すると思っていたが、以外にも行く先々で兵士を集める事が出来た。 朱桓は不思議に思って言った。 「どうして今まで兵の募集に応じなかったのに、俺の呼掛けに応えてくれたんだ?」 ある兵士は言った。 「朱休穆様といえば、余姚県で県長をなさっていた方ですよね?人々のためにした事をこの地方の者は皆伝え聞いています。だからわたしも呼掛けに応じたのです」 朱揮は言った。 「なるほどな。校尉の行いがこの結果を生んだわけだ」 周蘭も大きく頷いた。 「あの事を聞けば、じっとしている者なんていませんよ」 朱桓は感銘を受けて言った。 「有り難いことだな。俺は無我夢中だっただけなのだが…」 こうして朱桓は呉郡と会ケイ郡を周り、一年間の間に彼の下につく兵士は一万にもなった。 後に赤壁の戦いで孫権が動員したのが三万だというから、この数は彼の勢力の中で決して小さなものでは無かった。 朱桓は後にこの兵士一万人を私兵として自ら養い、人々は「朱家軍」と呼んだのだった…
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