第三章~朱家軍~

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…朱桓が兵士一万人余をその指揮下に収めた頃、江東では丹陽郡やハ陽郡では、異民族である山越の中の、孫権に不服従な民が蜂起していた。 彼らは城郭を攻撃し、地方長官を殺害したり捕虜にしたりして、各地にその集団が存在していた。 孫権は旗下の勇敢な者を派遣して、これを討伐しようと考えた。 有力な兵を持つ朱桓にもこの命が下り、彼は情報を集めてこれを討伐しようと、各地に斥候を放ったのだった。 ある日、朱桓は丹陽郡で友軍に遭遇した。 その部隊の兵士二千人余を率いていたのは、まだ若い男だった。 朱桓は言った。 「わたしは盪寇校尉の朱桓です。あなたは誰ですか」 若者は言った。 「わたしは屯田都尉の陸遜と申します。朱休穆校尉の名は、わたしも存じております。お会い出来て光栄です」 朱桓は頷いた。 「あなたが陸伯言殿か。我が君の側に仕え、有益な献策をしている事、わたしも聞き及んでいますぞ」
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