第三章~朱家軍~

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もともと呉郡や会ケイ郡において兵士を集めるように進言したのは、陸遜であった。 その名前が他国に知られるようになったのはまだ後の事だが、彼は二十一才で孫権に仕えてから、その側にあって政策などの意見を求められるような人物だったのである。 この時も会ケイ郡の山越の頭領・潘臨を討伐し、その私兵である部曲を自軍に編成する活躍をしていた。 陸遜は言った。 「朱校尉殿には、ぜひハ陽の山越を討つのに協力して頂きたいのです」 朱桓は頷いた。 「わたしも、元よりそのつもりでした。喜んで協力致しましょう」 こうして二人は軍を動かし、またたく間にハ陽の山越を攻撃して、その首領の尤突〈ユウトツ〉を討つことに成功したのだった。 こうした縁から、二人はやがて友となり、二人の子どもである朱異と陸抗も、幼い頃から親友としての関係を持つことになるのだった…
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