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末春はいやそうな表情になった。
「マツリのことわかってんならオレの答えもわかるだろ。悪いけど…」
末春が断りの言葉を言いかけると同時に沙雪がそれをさえぎった。
「違うの!
わかんないやつだな末春は。そうじゃないんだってば。そういうこと言ってるんじゃ。
あんたの彼女のマツリはあたしの友達だよ。だけど、あたしだって前から末春のことが好きだったんだよ!
あんたにマツリと別れろって言ってるんじゃないの。えっちしたらもうそれっきりで諦めるから。
お願い。一回だけ、して」
沙雪は精一杯健気に言い。末春は気まずくなったのか沙雪から目を反らして足元を見た。
少し考え込むように間をとった。
「沙雪、おまえってさ、いっつも冷めててガムシャラに何かをやるなんてしたことなさそうだったけど、
そこまでオレのこと思ってくれんだ。
でも、ちょっと変態じゃね?」
足元を見ていた目をもう一度沙雪に向けて、いぶかしげな表情をした。
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