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「気持ち悪いんだよ。昼ドラの愛憎劇のつもりかよ。
このインラン女」
言い捨てた末春はこの場を去ろうと歩きだした。
その後ろ姿を沙雪は切なそうに見つめる。
これで青春に有りがちな恋物語はジ・エンドに終わるかとおもわれた。
が、アホなことに末春は頭を掻きながらテレる様子を見せて、
沙雪の元に戻ってきた。
「いや、あのぅ…
ホントにマツリと別れなくてもいいんだよね?」
なさけなし末春(笑)
沙雪はうなずいた。
「マジでマツリには黙っててよ」
沙雪は笑顔で再びうなずいた。
毎日毎日同じことの繰り返し。
くだらなくてつまらない。
タルすぎる勉強。
登校して下校してはまた登校して。
小学校の次には中学校、中学校が終わったら高校が待ってる…
ただタルいだけの日常が、あと七十年、八十年も待ってると思うとゾッとする。
もうやめたいんだよ。空気みたいに、あるはずなのに意識しなきゃ存在に気付けないような人間でいるのは。
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