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沙雪は流石に二人で入る勇気はないので、そう言って末春を店の外に置き去りにして店内に入った。
ドラッグストアの避妊具のコーナーでコンドームを見つけると、
逸る気持ちを抑えてレジで支払いを済ませた。
万引きしているわけではないが、レジの人はどう見ても中学生の姿の少女にいぶかしげな視線を向けた。
変なものを見るようなその視線から逃げるように店外に出るとさっきの勢いはどこへやら、
真っ青な顔をした末春がいた。
「沙雪、どうすんだよ。今更気づいたけど、どこでするんだよ!?
よく考えたらするとこねえじゃん」
「はぁ、まあね。でもそんなの大した問題?あたしはいい所知ってんだけど」
「ラブホは補導されるぞ」
「ラブホなんて行こうと思っても金からしてないじゃん。ラブホじゃないよ」
「じゃあどこ?他に思いつかないんだけど」
沙雪は来た時のように末春の手をぐいっと掴み、引っ張って歩き出した。
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