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文字の上を視線が泳ぐ。
意味が全くわからない。
これは悪質な嫌がらせ?
それとも祖母の遊びなのかもしれない。
「はぁ‥」
期待していた分、失望も大きい。
もしかしたらパーティーのお誘いかもしれないと思っていた自分が馬鹿みたいだった。
落ち込むキャロルにキャットが近づいてきて、封筒を前足で引っかいた。
【ガサッ】
「んん?」
変な音がして、封筒の中をのぞき込むと何かまだ入っている。
取り出すと、それはシルバーリングだった。
中央に大きな黒い石がはまっている。
ジッと見つめてみる。
その石の中は渦を巻くようにグルグルと動いているようで、真っ黒なのに濃淡が感じられて美しかった。
「きれい‥」
手紙は私宛てだし、これ私に、かな?
どうしよう?
どの指にするか迷ったが、大きいので親指にはめてみた。
やっぱりブカブカか‥
外そうとしたその時、
【シュン】
指輪は一瞬で縮み、指にピッタリとはまった。
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