祖母の家
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【キャロル・ニクス殿】 その白い封筒には、今どき珍しく朱色の封蝋でしっかりと封がしてあった。 送り主の名前はない。 切手も貼っていない。 何だろう? 不思議に思いながら、キャロルはその美しい封蝋の表面をそっと撫でた。 ここに来て、初めての手紙。 開けるのが勿体ない気がして、しかし自分宛の郵便物を嬉しく思いながら、キャロルはポストから家に向かって歩き出した。 それは清々しい朝のこと。
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