祖母の家

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「キャット、おはよう」 ポストから戻り、キッチンで冷蔵庫をのぞいていた彼女は、のそのそとこちらへ近づいてきた同居人に声をかけた。 ゆっくりと視線をこちらに向ける真っ黒な猫。 「お仕事は終わった?」 すると、猫はピンと耳を立ててこちらを見ると、その深緑色の瞳をキラリと光らせた。 まったく。 ほんとに言葉がわかるようだから面白い。 多分、今朝も獲物を仕留めて私のベッドの下に隠したに違いない。 今日は何だろう? ヤモリくらいならまだ許せる。 初日みたいにネズミだったら‥ 最悪だ。
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