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「あらゆる状況証拠が犯人を示してます。犯人は…伊良部さん。あなたです。」
全員の視線が伊良部に集まった。
伊良部はRの言葉を聞き、意味がわからないといった表情でRに言った。
「…なぜ俺が?、その根拠は?」
「有倫様の遺体を棄てる必要があり、また棄てる事ができる人物、ボイラー室に入る事ができる人物、ダイイングメッセージに該当する人物、そして何より、アリバイが無い人物。この条件がすべて揃うのは伊良部さん以外いません。」
「ちょっと待てよ!確かに俺はボイラー室に入られる。でも、それ以外の条件には身に覚えが無い!」
「ここまで追い込まれて逃げきれると思ってるんすか?ならまずアリバイから説明します。」
Rは伊良部をまっすぐに見つめ、話を続けた。
「まず死亡推定時刻である10時半から11時半までの間、あなたはどこにいましたか?」
「談話室だよ。かすかにだが、君たちの声が聞こえてた。」
「なら談話室を出てからは?」
「仮眠をとる為に自室に向かった。4時から舵を握る事になっていたからな。」
「つまり11時半以降のアリバイは無いんですね?」
「……。」
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